この暑さ、いい加減に終わって欲しい。

けれども確実に
夏の終わりは近づいている。
カナカナと、
夕暮れの雑木林から聞こえる
ひぐらしの声。
ベランダや庭や道路には無数のセミの死骸。
いや?まだ生きている。
そうっと近くの木の枝に乗せてあげるも、
あっと云う間に落ちる7日目の命。
ピーちゃんの「夏の昆虫採集」は
今や「夜の辻斬り」のレベルになって、
今夜も無残に引きちぎられた犠牲者が、
玄関先に捨てられている。
白地にうすい緑の色がとてもきれい。
今までに見た事はない蛾の仲間?
羽を食いちぎられてもまだ息がある。
「食い散らかすだけが目的の殺生は大犯罪よ!

マグロの刺身に高級無塩煮干し、
カルカンが厭だと云い張ったから、
お値段上のピュリナドライにも変えてやったのにぃ、
今日から野良猫になってしまえ!このぅー乱暴者!!

10年前、縁の下を彷徨っていた可愛い〜ぃ子猫。
まさか、こんな乱暴者になろうとは・・・。

拾わずにいたならば、こんな思いはなかったかも・・・。
いや、猫の本能だから致し方ない・・・もん・・・。
・・・もんもん・・・

「ごめんね。ごめんね。苦しかったよね。」
死を直前にした命のオーラーが黒い色と云うならば、
感じる夏の終わりの空気は薄墨の色。
間もなく終わりを迎える無数の命の
オーラーの色なのかも知れない
